第5回公開例会『つなげよう!学校と地域社会~子供たちの未来を拓くために~』のご報告

5月13日(木)せんだいメディアテークに於いて、第5回公開例会『つなげよう!学校と地域社会~子供たちの未来を拓くために~』を、藤原和博氏をお招きして開催いたしました。



 当青年会議所が公益社団法人となっての初めての例会でありましたが、著名な藤原先生が講師とあって当日は学校の先生方やPTAの方々など多くの市民の皆さまに参加頂きました。

 

 講演に先立って植松理事長より市民の皆さまへ、青年会議所としては、東北で最初に公益社団法人格を取得したことの意義と、本日の講演趣旨の説明並びにご来場いただいた皆様への御礼の挨拶がありました。



 

第一部『学校づくりを地域社会とともに~[よのなか]科と地域本部の取組みを通して~』と題して、藤原先生から、急激に多様化・複雑化するこの社会を生き抜く子供たちのために、子供たちを取り巻く環境を良くするために何が必要なのかを、来場者に伝えていただきました。藤原先生は、東京都内の中学校で民間初の校長先生として採用され、赴任した和田中学校で、自ら実践してきた[よのなか]科や「地域本部」をもとに、学校と地域社会との関係づくりについて講演を頂きました。



 

「学校の先生のすべてを押しつけて、何か問題が起こったとき、すべてを学校の先生のせいにするのをやめませんか。そんなことしても何も変わらない。そんな状況は終わらせなければならない。」講演の冒頭、来場者に伝えたメッセージです。

学校と地域社会の信頼関係が失われ、保護者から先生に対するクレームがでると、子どもたちの先生に対する尊敬が薄れてしまい、子どもたちは学校で学ばなくなる。学校と地域社会がつながらないという選択肢はもうないでしょう。地域社会とつながらないで学校の先生たちだけでやることは無理です。

そして、学校の良い部分も、悪い部分もすべてを地域社会に見せるべきで、都合のよいところだけ地域に協力を仰いだり、学校の良いところだけを見せるだけでは、地域社会とのパートナーシップは図れません。

子どもたちが多様化し、家庭が複雑化した中では、どれだけ先生たちで頑張っても、どれだけ質の高い教育をしても限界があり、学校現場を地域に開いていかなければならない。そのための手法として「地域本部」があり、「学校」と「地域社会」がつながること学校と地域社会と子どもたちの間で信頼関係が築ける。



 

「地域本部」の運営においては、親や先生ではなく、地域のおじさんおばさんや学生さんなどの「ななめの関係」を築くことが大切で、親や先生ではない大人たちが子どもに教える過程で、大人たちにとっても、子どもたちから学び刺激を受ける。刺激を受けた大人たちが「地域本部」に率先して入ってくる。また運営のポイントとして「コーディネーター」の存在が大切になる。コーディネーターの育成については、各自治体で積極的に行っているところは多数ある。現在、地域本部は全国に広まっており、現在2千数箇所まで設置されている状況で、最終的には4千から5千箇所まで広がるだろうと予想している。農村部のような地域コミュニティーがしっかり存在している所は「地域本部」あまり必要ないが、都市部では必要としている。仙台も都市部として例外ではないと思う。

藤原先生は、以上のように「地域本部」の必要性をお話されました。最後に「よのなか」科の授業を、VTRを交え、会場の皆さんと実践してみました。会場に集まった多くの皆さまも熱心に藤原先生の講演を聴き、感銘をうけておりました。



 

約1時間の藤原先生の講演の後、第2部 パネルディスカッション テーマ「学校と地域社会をつなげる」を行いました。

パネリストは左から





コーディネーターの仙台青年会議所 広報委員会 竹下委員長

藤原 和博氏
仙台市教育委員会 確かな学力育成室 長田先生
仙台市PTA協議会 加藤会長
仙台青年会議所  植松理事長

まず、長田先生からは仙台市の取り組みの中で、学校でボランティア活動をされたことのある年配の男性から、活動の感想を記した手紙を発表し、仙台市内の各所で行われている地域コーディネーターの現状についてお話頂きました。「地域本部を活性化させるためには、いろんなリスクを危惧することは否めないが、そこは勇気を持って一歩踏み出して欲しい。校長先生はじめ先生たちが任せてくださいと地域に呼びかければ、地域の方々が安心して参加してくれる。」と学校に対するメッセージをお話いただきました。長田先生の熱意ある、会場を飽きさせない話しで会場の皆さんを引きつけておりました。

加藤PTA会長からは、子供に見せたくない番組の選考委員をされた際に、ある芸能人とラジオ番組で対談した話などを織り交ぜ、メディアで扱われている偏ったPTA像とは違い、実際のPTA活動の現状をお話頂きました。地域性もあるので、「地域本部」を設置する手法がすべて正しいとは言えないが、地域と連携していくことは諸手をあげて大賛成であるとお話しいただきました。

藤原先生からは、「地域本部」がないと学校現場に協力したくても協力する方法がない。今後、団塊の世代の方が退職すれば、地域に協力できる時間的余裕のある方がたくさん出てくる。また、地域の学生に参加してもらうことが大切で、そのために地域本部やコーディネーターが必要だと重ねて「地域本部」の必要性をお話しいただきました。

パネルディスカッションの終盤で仙台JCに対して、長田先生からは、「ぜひ学校現場に参加して欲しい。そのことを伝えたいのでパネルディスカッションに参加させていただいた。」藤原先生からは、「仙台市でも民間の校長先生を一人でもいいから出してみてください。JCメンバーから、その校長先生になってもらい、JCあげて支援したらうまくいくのでは。」と仙台JCに対する期待をお話されました。

最後に植松理事長より「青年会議所メンバーは様々な職種から成り立っている団体なのでゲストティーチャーのような関わり方は、地域の要望があれば参加したい。校長先生に関しては、高いハードルがあると思うが、青少年育成や地域に根差した運動を掲げる以上考えていきたい」という思いを会場に伝え、パネルディスカッションを締めさせていただきました。

パネルディスカッションの中で東京のような大都市との違いから生じる地域性の考え方に関し、藤原先生と加藤会長との議論が白熱したこともありました。不慣れなコーディネーターのため会場に伝わりにくかったことがあったかと思いますが、熱意あるパネリストだからこそ熱い討論が行えたかと思います。

 



パネリストの皆様ありがとうございました。

平日にもかかわらずご来場頂きました皆様ありがとうございました。